う〜ん、期待しすぎたのでしょうか?正直なところ、あんまり面白くありません。確かに莫大な予算を使ったせいでしょう。帝政ローマの美々しい鎧、臨場感のあるコロッセオ、迫力ある剣闘試合、どれもが目を奪われる程のリアリティ(本物は見たこと無いけどね)をもって楽しませてくれました。そういう意味では、確かにこの映画は大作だったのでしょう。
しかしストーリーはいただけません。なんたって、映画の予告でわかる内容が全ての映画なんて、誰が観て喜びますか?何のひねりもなく、意外な結末もない。ただただ復讐のために戦ってお終い。これではちょっと寂しすぎます。デコレーションが豪華なだけで、パサパサのケーキですか、これは?凄く期待してたのにね。DVD買わなくて正解だったかも。
全体的な映像については、さすがにリドリースコットの仕事だと唸らされる。その点においては全く問題ないのだが、ストーリーは非常に安易な割に展開が遅く、かといってクライマックスでは展開が早すぎて登場人物の動きが理解出来ない。例えばラストで主人公と皇帝との一騎打ちの場面になるが、親衛隊は皇帝の味方をしない。これはどういう事だろう?史実においても、コモドゥス帝は家臣に背かれたりと不名誉な逸話をもつ皇帝だ。そういった人物だからこそ、親衛隊にも見放されたのか?……しかしそれを物語るエピソードも伏線もない。ただ突然にそういった状況になってしまったのだ。描ききれなかった証拠だろうし、観客が醒める要因の一つにもなっていると思う。
個人的な事になるが、哲人皇帝(大秦国王安敦)の苦悩の姿や、「パンと見せ物」を要求する市民の姿、ローマの議会の描写など、当時を偲ばせる雰囲気作りは成功しているように感じられた。何の先入観がないのなら観ても良いのかもしれない。所詮は頭でっかち(ワシの事よ)の意見に過ぎないし。
特撮ファンをはじめ、多くの人達に愛されてきた日本怪獣界のアイドル『ゴジラ』のハリウッドバージョンである。んなモンだから今さらって気もするが、とりあえず気になった点だけ言っておこう。
結構良くスタイルの問題が言われていたような気がしたが、個人的には全くと言って良いほど気にならなかった。ゴジラを走らせたり、泳がせたりすると生物的な問題からああいったスタイルになるのは良く分かるし、それでもなおゴジラ本来の重厚な存在感はあった様に思える。それよりも気になったのは戦闘機などの表現だろう。戦闘機は現行の空戦兵器の中でも最強の物の一つ。だからこそ観客には「こんなに強いんだ!」と感じるだけの演出が必要になる―そうすることによってゴジラの非現実なまでの強さを強調できるし、(ちょっと変だが)現実の話なんだというリアリティが出てくる―のだが、それは無かった。ゴジラの周りを蚊トンボのように飛んでいる姿だけが印象に残った。弱ッ!
一番気になったのは日米における「ゴジラ」観の違いだろう。日本人の受け止めている「ゴジラ」とアメリカ人の「ゴジラ」、その違いが顕著に出た作品だと言えるだろう。アメリカ人の考えた「ゴジラ」ってのは結局、正体不明(?)な未知の生物であり、放射能汚染で生まれてしまった突然変異の超生命体であるってところだ。一時期、世界を賑わせたフランスの核実験によって生まれた太古の恐竜だとか、トカゲだとかをベースに生まれた生命体、それがゴジラである。無性生殖によって繁殖し、一度に200個くらいの卵を産む。その卵にしてもごく短い期間で孵化し、体長3メートル程度の子ゴジラを生み出してしまうのだ。
あれ?ゴジラってこんな生き物だっけ?
日本人が抱いているゴジラ観は全く違う。ゴジラってものは放射能汚染によって生み出された「地球の怒り」や「自然の怒り」って言うべき物が実体化し、人間にメッセージを伝える、言わばシャーマニックな存在であるのだ。地球や自然はものを言えない、だから人間はいつまでも気付かずに自然界を痛めつけるようなことを行い、地球を傷つける。だからゴジラである。ゴジラもまたものを言わないし、その行動原理が分からない。何故日本に現れたのか、何故破壊を繰り返すのか、誰にも分からない。ただ、ゴジラの行動を見て、「きっと地球が怒っているんだ」と感じて納得してしまうのだ。
だからこそ、日本人はゴジラの習性なんて気にしない。ゴジラが卵を産むなんて考えない。ゴジラが個人を襲うなんて事は考えない。ゴジラが………。この点が日米ゴジラの最大の相違点なのだろう。
蛇足:ゴジラくらいのスケールの生き物が人間を敵と認識するだろうか?人が蟻を敵だと認識する事くらい不自然な気がする。それよりは戦車や戦闘機、最後の方で活躍したタクシーの方が敵として認識しやすいのでは?と、ず〜っと考えていたりした。
う〜ん、確かにニコラス・ケイジは顔こそ不自由だがアカデミー俳優。嘗めちゃいけないね。
コレまでニコラス・ケイジの作品と言えば、まともに見たのはシティ・オブ・エンジェルくらいだったし、その時の印象と言うと「変な顔」ってくらいだった。あえて表現するなら………広い額にまるで死にかけた魚のようなギョロっとした目、まるでイシモチですな。あの顔で天使だって言われても…。それが彼に抱いた正直な感想。
でもこの映画を見て考えを変えたね。格好良いじゃん!あんな顔なのに!………凄い失礼な発言だな、コレ。でもホント、格好良かった。彼の演じた南部男「ポー」は絶対に友達にしたくない、暑苦しいタイプ。誰にも譲れない大事な物があるのに、目の前に自らの正義にいれないものがあると、それを正さずにはいられない。自分に損な状況が起きても、弱い者を前にすると放ってはおけない。冷静な判断力とタフな肉体を武器に問題を解決していくのだ。
ストーリはこんな感じ。囚人ポーは自らの妻を助けるために罪を犯し投獄されたが、刑期を終えて帰ってくるそのときに事件がおきた。囚人の1人サイラスと彼の仲間が、この囚人護送(移送)飛行機を乗っ取り、囚人専用飛行機(コン・エアー)へと変えてしまったのだ。しかしポーはもう釈放が決まっているのでいつでも降りれる………はずだったが、彼の友人が飛行機無いに取り残される事がきまっている。しかも友人は定期的に薬を投与しなければ死んでしまう。が、その為に必要な注射器は飛行機乗っ取りの際に失われてしまった。ポーは友人の命を守るため、なんとしても飛行機に残り、共に脱出するために奮闘するのであった。
蛇足:中盤から出てくる異常殺人鬼役のスティーブ・ブシェーミがイイ味だしていた。大仰に登場した割にはただの1人も殺さず、全く活躍もしない。結果、コン・エアーに乗った者はポー以外、死ぬか逮捕されるかして、全滅してしまうのだが、全くの無傷。ラストシーンでちゃっかり逃げ出して、ラスベガスで遊んでいました。なんのために出てきたんだか………でも好きかも。(^^)